2年遅れの3年早まり

Kazuyoshi45

 いつだったか、私には「5年周期」で取り組む作業があるとここで書いた。斉藤和義のオムニバス盤作成がそれである。その時々の彼のオリジナル・アルバムやシングルから気に入った曲を適当に拾い上げ、並べるだけの、まぁどうということのない作業ではある。が、偶然なのかどうか、ちょうど5年毎に行われてきた。『COLLECTION 1』を2000年に、『2』を2005年、そして『3』を2010年に作った。5年毎というから、オリンピックだのワールドカップだのという巷のお祭りとも関係ないし、もちろん今一番の関心スポーツ、WBCとも無縁だろう。頼むぞ筒香、つつ……さて、そうなると次の『4』はとうに作り終わっていなければならないのだが、そうはならなかった。2年前、私はそれをサボっていたのだった。たはは。

 んが、一体何がきっかけでそうなったのかよく分からないのだが、作っちまったぞ。ぞ。ぞ。つい今しがた。しかも2枚! そうなのだ。『4』だけで終わらず『5』まで進んじまったのだ。初めにリストアップしたら40曲にも膨れ上がってしまい、実は2枚どころか3枚になるところだったのだ。さすがに3枚はアレなので、泣く泣く8曲捨てて。しくしく、さんじゅうろく……えーと、32曲。これを2つに分けてみた。

 とまぁそういう訳で、2年遅れたが、3年早まった。はい? いや、だから、『4』はお目見えが遅くなったが、『5』は東京オリンピック開催前に完成してしまったのだ。めでたし、めでたし。

 しばしヘビーローテーションとなるであろう2枚のオムニバスお披露目である。頑張れ筒香。つつ……いや、ところで、なにこれ、拓郎が作ったんかいな、と戸惑わせたのが新曲「遺伝」のサビ・メロ。まさかね。

 ●斉藤和義コレクション 4 (1994-2009)

01 スナフキン・ソング
02 ねぇ、運転手さん
03 誰かの声じゃ
04 ウナナナ
05 おやすみ
06 年末来年
07 Alright Charlie
08 ロケット
09 約束の十二月
10 かすみ草
11 天使の遺言
12 ウェディング・ソング
13 愛の讃歌 (live)
14 おつかれさまの国
15 Come On!
16 ドント・ウォーリー・ビー・ハッピー
17 愛の灯

 ●斉藤和義コレクション 5 (2010-2015)

01 ずっと好きだった
02 Small Stone
03 名前を呼んで
04 ウサギとカメ
05 満男、飛ぶ
06 春の夢
07 やさしくなりたい
08 メトロに乗って
09 かげろう
10 月光
11 それから
12 彼女は言った (live)
13 君の顔が好きだ (live)
14 時が経てば
15 あこがれ

 ※今回見送った曲々

・ 傘がない
・ アゲハ
・ モルダウの流れ
・ キャンディ
・ 天国の月
・ Summer Days
・ Golden Slumbers
・ 天使の猫

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欲望には勝てず

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【20年後のベスト5】

第1位  Desire  (1976)
第2位  Street-Legal  (1978)
第3位  New Morning  (1970)
第4位  Nashville Skyline  (1969)
第5位  Blonde On Blonde  (1966)


とにもかくにも、ここ3日ばかり聴き返してみた。

初期の作品群、例えば『The Freewheelin' ~』とか『Bringing It ~』は、吐き出される詩の純度はともかく、醸し出すサウンドの空気感がちょっとねぇ。『Highway 61 ~』もそう。最後の曲「Desolation Row」は今でも大好きなんだけど。
それと、The Bandとの蜜月時代の作品もなんだかなぁ。『The Basement Tapes』とかさ。彼らの匂いが今では逆に鼻につくのが意外。ザ・バンドは単独で味わう方がいい。だもんで、『Planet Waves』は圏外へ。
21世紀の作品も2つばかり食べ直してみたけど…。『Modern Times』と『Together Through ~』。ふーむ、今ひとつ。
替わりに気に入ったのが『Nashville ~』だの、『New Morning』だの。いいわこれ。

そして本命は『Desire』で決まり。やはりウソはつけない。当時から言ってきたことだけど、1曲目「Hurricane」のカッコよさったら。普通ならボツにするであろう、バックバンドを戸惑わせた「ミス」テイクを採用したディランは正しいよ。改めて思う。そうなんだ。40年前に正しかったことは今でも正しかった。どうすればこの熱い思いを伝えられるのだろう。それを彼は(おそらく)無自覚に知っていた。滅茶苦茶ホットなのにクールでもある。希有な才覚。そのひとつの証左が垣間見える。
あと、忘れちゃいけないのが、アルバム全編をふらふらと妖しく歩くスカーレット・リヴェラのバイオリン。そしてエミルー・ハリスの寄り添うボーカル。
オマケにジャケの写真。火傷する「Hurricane」は別として、このアルバム全体を覆っている穏やかさというか、ふわふわ感というか、ゆったり感というか、温かさというか…。そんな空気を横顔の目線ひとつで表現している。

すまん、『Street-Legal』くん。やっぱり欲望には勝てなかった。たはは。


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レノン・マッカートニーはもう無理

うわー!コワイ、コワイ。寒いくらい。
本当にどっきりした。こんな経験ていつ以来だろう。
まさか、まさか、まさか当たるとは。


ノーベル文学賞の季節か。今年もまた(ムラカミ)ハルキストの集いがあって、祈るんだろな。もはや風物詩と呼んで差し支えのないそんな光景がお約束のように報道されるんだろな。で、結局受賞を逃すんだろな。アフリカや南米あたりの作家受賞でお開きみたいな。

文学賞か。ミュージシャンなんかは選ばれないのかね。「音楽賞」というワクが無いなら、この文学賞で。例えばボブ・ディランとかさ。そのソングライティングに焦点当てるなら彼は詩人だろうし。まぁとりたてて彼のファンではないけど…。

受賞2日前、ぼんやりとそんな思いを巡らしてた。それもほんの一瞬。
そして本日夜、TVから何気にチャイムが…


【ニュース速報】 ノーベル文学賞にボブ・ディラン氏


はい?

うわー!コワイ、コワイ。寒いくらい。
本当にどっきりした。こんな経験ていつ以来だろう。
当たっちまっただよお嬢さん。


ところで、ディランが受賞するなら、次点はランディ・ニューマンだな。
それはともかく、ちょっと彼ディランのアルバム三昧に走ろうかな。一音楽ファンとして、やっぱり嬉しいもの。


さてさて、どうでもいいけど、ちょうど20年前に私はこんなこと↓をNIFTYのフォーラム、FBEATに書き込んでいた。
今回オマケに添えて、ではまた。ごきげんよう。

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『ストリート・リーガル』 1978年

ディランのアルバム数々あれど、どれもこれも最初の一発でノック・アウトされたものがない。いつも後からじわーっと来る。まるでボディー・ブローである。不思議。リアル・タイムで聴いた『Planet Waves』から『Desire(欲望)』までさえもそう。何なんだろ。
唯一の例外がこの『Street Legal』。後追いなんだけど、初対面でやられてしまった。さんざん悩んだあげく、私はこれを彼のベストに推すのかもしれない。

で、今しがた数年振りに聴き返してみた。…うーむ、やはりヨイではないか。うんうんこれじゃよこれ。
1曲目「Changing Of The Guards」。やや長めの尺ながら、アップテンポで切なく迫ってくる。
2曲目「New Pony」。イントロからぐっと引き込まれ渋い渋いメロディーの繰り返し。あらら発見っ、といっても大したことではないのだけど、クラプトンの「Steady Rollin' Man」と同じフレーズがある。まぁ、ロバート・ジョンソンは偉大なりと。
3、4曲目と続けていくうちに、このアルバムのあちこちに散りばめられたおそらく黒人女性のバック・コーラスのうねりがどうやら鍵を握っていると気づかされる。ゴスペル風味ながら宗教臭くはない程度の熱い掛け合い。うんうんこれじゃよこれ。
5曲目「Is Your Love In Vain」。歌われている内容は未だよく分からないんだけど、ぐぐぐっときちゃう愛の歌が黒光りし、たまらない。
6曲目「セニョール(nの上の~が書けないっ)」。これも一発で刷り込まれるメロディーだね。
7曲目「True Love Tends To Forget」。まぁ、タイトルだけで分かったような気にさせられる、てのはともかくとして、「Is Your Love ~」に負けず劣らず黒く輝いている。
残り2曲は割愛。ふは。
いやそれにしても、久しぶりのこのアルバム。楽しませてもらった。前述のようにバック・コーラスが非常に大事なスパイスなんだね。

ついでだ! 思い入れと思い込みでアルバムのランクをつけてしまえ!

第1位 Street-Legal
第2位 Desire
第3位 Planet Waves
第4位 Blonde On Blonde
第5位 Blood On The Tracks

以下は無し。だって聴き込んでないもの。


──NIFTY フォーラムFBEAT 【洋楽温故知新】部屋より(1996年3月11日、30日付)

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春一番

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 このところ音楽にも読書にも「!」という経験がどうも少なくて、というより、聴いたり読んだりすることから離れていただけなのだけど。なんていうのかなぁ、こう、心や体に「入っ」てこないんだよなぁ。「染み」てこないんだよ。これじゃあもう音楽鑑賞が趣味です、なんて言えなくなってきたかも、なんて思いつつ、今年手に入れた(3ヶ月でたった9枚)CDを聴くともなしに聴いていた。

 ん、結構いいじゃん。と思わせたのが高橋優の『Break My Silence』(2013)だったりする。さして期待してなかった分、聴いたら「効い」た。なんだそりゃ。この調子で相対性理論の『Town Age』も聴いてみよ。やくしまるえつこの声に浸りたいんだ。

 と同時期に読んでいた、浅田次郎の『一路』にもハマってしまっている。只今下巻突入である。

 思い返せば、昨年薦められて借りた百田尚樹の『海賊とよばれた男』は結局手に取らず、そのまま返したし、こちらは読んだ桜木紫乃の『ホテル・ローヤル』と『起終点駅(ターミナル)』はつまらなかったし、くだんの浅田次郎にもなかなか手が伸びなかったのだけど、えいやって思ってページをめくってしばらくしたら、あらら、おもしれー!

 この『一路』はまず表紙絵に惹かれた。どこかで見たパターンだなぁ。あ、あれだ。三浦しをんの『風が強く吹いている』のそれにそっくりだ。「装画 山口晃」とある。調べてみたら、ビンゴ。

 『一路』は簡単に言っちまえば、幕末に参勤交代で中山道を江戸へと向かうストーリーである。なんだか内容まで箱根駅伝をクライマックスにもってきた『風が強く~』に似てないかい。もちろん作者が違うから味わいは異なる。『一路』にはあちらこちらにユーモアや馬鹿馬鹿しさが散りばめられているのだ。その意味で同じ浅田の『プリズン・ホテル』シリーズに通じる。

 まあともかく、音楽にも本にも春一番が吹いたのかもね。めでたし、めでたし。

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2013年の収穫

 とまあそういう訳で、今年はここ10年の中で、おそらく最も数多くのCDを手に入れたにもかかわらず、あまりに多すぎたか、腕時計に狂ったせいか(それだろ)、「やられちまったぜ!」とぶん殴られた作品が意外にも思い出せない。また、いわゆる新譜、つまり今年リリースされた作品にほとんど触れずじまいだった。だもんで、今回も一応リストアップしてはみたが、あくまで「一応」である。

 その中で、ノルウェーのシンガーソングライター、Sondre Lerche(ソンドレ・ラルケ)一連の作品にはちょっと胸かきむしられた、というか足をすくわれた。リストからは外してあるが、『Two Way Monologue』(04)や『Duper Sessions』(06)も捨てがたい。あと、リストには載せなかったものの(だって聴きこんでいない)、Ani DiFrancoなるシンガーと一瞬Phishを連想させたMoe.という名のバンド、この両者は気になったまま放ったらかしである。あ、もう一人いた。高橋優だ。彼の新譜は聴きたい聴きたいと思ったまま忘れていたんだった(だから時計のせい)。


 <BEST3>

Lerche


1 Sondre Lerche  『Faces Down』  02年

Gainsbourg


2 Charlotte Gainsbourg  『IRM』  10

Oberst


3 Conor Oberst  『One Of My Kind』  12


 <次点(ミュージシャンのアルファベット順>

Meyer

・ 天野 月  『天の樹』  12
・ 安藤裕子  『勘違い』  12
・ Kevin Ayers  『The Unfairground』  07
・ Beirut  『The Flying Club Cup』  07
・ The Bevis Frond  『Vavona Burr』  99
・ Ryan Bingham  『Tomorrowland』  12
・ Andrew Bird  『Armchair Apocrypha』  07
・ クラムボン  『Lover Album 2』  13
・ Dawes  『Stories Don't End』  13
・ The Dodos  『Visiter』  08
・ Nick Drake  『Bryter Layter』  70
・ Brian Eno  『Another Green World』  75
・ Farm Dogs  『Last Stand In Open Country』  96
・ Howe Gelb  『Sno Angel Like You』  06
・ Gov't Mule  『Dose』  98
・ Home  『XIV』  99
・ Beth Jeans Houghton  『Yours Truly, Cellophane Nose』  12
・ Jason Lytle  『Yours Truly, the Commuter』  09
・ Emi Meyer  『Galaxy's Skirt』  13
・ Yuri Popoff  『Lua No Ceu Congadeiro』  12
・ Bonnie Raitt  『Slipstream』  12
・ Rigina Spektor  『What We Saw From The Cheap Seats』  12
・ The Strange Boys  『Be Brave』  10
・ Sun Kil Moon  『Ghosts Of The Great Highway』  03
・ Thin Lizzy  『Thin Lizzy』  71
・ Tripping Daisy  『Jesus Hits Like the Atom Bomb』  98
・ Widespread Panic  『Everyday』  93
・ Alex Winston  『King Con』  12
・ Neil Young  『Americana』  12

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WATCH>LISTEN

 今年手に入れた音源(CD)は269枚。といいつつそのほとんどが5月までの上半期に集中している。6月以降に集めたのはわずか21枚。それと足並みを揃えるように、聴く時間も激減している。最近聴いたのってなんだっけ。クラムボンの『Lover Album 2』は心地よかったな。あとはチャットモンチーのベストとEmi Meyerの『Galaxy's Skirt』くらい。寒かった今年初めから暖かい初夏にかけて熱に浮かされてたかのように漁りまくったあの空気はどこにいってしまったのだろう。

 実は、今年最もハマったものは時計である。私が所持する腕時計は全部で40本程。その2/3位を今年だけで買い求めてしまった。まったくなんということだ。ここにきてようやくブレーキがかかった、というより飽きてきたのだけど、とにかくまるで鬼のように来る日も来る日も腕時計の画像を見てはニタニタしていた気がする。

 種類も一通り揃っているのではないか。ムーブメントなら自動巻、クオーツ、(電波)ソーラー。ケースならステンレス、チタン、合金、アセテート、アクリルにポリアミド。バンドに目を向ければステンレス、チタン、レザー、セラミック、ウレタン、ラバー、アセテート、ポリアミド、そしてナイロン。風防(ガラス)だとサファイヤ、ハードレックス(SEIKO)、クリスタル、アクリル。用途というか、タイプというか、そんな区分けもクラシカルからダイバーズまで多種多様だ。これに文字盤やバンドのカラーを加えると、そうだなあ、パープル以外は全色あるんじゃないか。まぁしかしよくぞ集めたものよ。おかげで毎日違う時計を腕に巻くことになった。っても、いくつかヘビーローテーションはあるのだけどね。

 どうしようこの40本。玄関やトイレにでも並べてみようか。天井から吊り下げてみようか。うーん、やっぱりきちんとしたウォッチケースに収納した方がいいんだろうなあ。あー面倒くせー。収集熱の冷めた今、百均で求めた透明なプラケースの中で無造作に並んだ連中は毎日私をじっと見ている。

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風はもう吹かない

Chatmonchy

 チャットモンチーを久しぶりに聴いた。やっぱりいいなあ。オリジナルでなくベスト盤(2012年)で、というお茶濁しなんだけどね。誰か殴ってくれ。ふは。

 「ヒラヒラヒラク秘密ノ扉」とか「8cmのピンヒール」とか「シャングリラ」とか、一緒に口ずさめるチューン達が懐かしい。懐かしいんだけど、決して古さを感じさせない。なんたって楽曲自体がいいし、橋本絵莉子のギターはけれんみの欠片もなくざくざく弾いてるし、高橋久美子のドラムスもどこに打たれるか見当がつかなくてスリル満点だし。うーん、やっぱりトリオだったときの彼女達が一番だ。そこはかとなく初期のザ・ポリスを連想させるのが今更ながら興味深い。特に高橋のドラムスはスチュワート・コープランドを彷彿させる瞬間があって大好きだ。なんで脱退しちまったんだ。ああ、もったいない。今では二人になり、橋本はプライベートで間違いなく一旦休み、こうやってベスト盤を作り…。チャットモンチーはこれからどこに向かって歩いていくんだろう。

 私が愛してやまないNo.1ソング「風吹けば恋」が見せた不協和音に乗る旋律、ざらざらした手触り、性急さと疾走感、すぱっと切り取った日常感覚とストレートこの上ない歌詞の力強さ。こうした世界を作り上げることはもうないだろうな。


 ところで、橋本のシャウトを聴いていると、「クラシック」たった1曲でヤられちまったJUDY AND MARY、というより当時のYUKIをふと思い出させる。そういやYUKIはソロの方が長くなったんだっけ。もう弾けなくなってきたよなあ。彼女もソロソロじゃないかな。なんちて。

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発掘

Mcphee


 今さら言うのも気恥ずかしいのだけど、私の洋楽のベースは1970年代ロックにある。あるはず。あると思う。あるのか。ふは。この40年程あれやこれやと味わってきたが、しかし最近はすっかり遠のいている。70年代物はおろか、20世紀の音楽なんぞほとんど見向きもせず、世紀が改まったここ10年ほどのブツばかり物色している。

 …はずなのだが、どういうきっかけがそうさせたのか定かではない、ここ1年位、昔の音源を集め始める自分がいた。それがほとんど70年代前半の作品だったりするのはどういう訳だ。偶然か。必然か。すでに100点位に上るのではないか。ただし名のあまり通っていない、え、誰それ、なバンドやグループやシンガー達でほぼ占められている。まあいわゆる「発掘」だ。誰の何というアルバムなのか、とか、どんな味がするのか、とか、そんなことを一つ一つここに書き出すほどの意欲はないけどね。ふへへ。ま、気が向いたら。と言いつつひとつだけ紹介しよ。

 最近車でよく流しているのがMcPhee(マクフィー)というバンドのセルフタイトルアルバムだ。調べてみたら、オーストラリアの5人組で、1972年にリリースしたこのアルバム1枚で消えていったらしい。Faye Lewis(フェイ・ルイス)という名の女性ボーカルがグレイス・スリックばりの喉でぐいぐい歌っている。アルバム収録曲はすべてカバーみたい。で、一番の聴き物が「Superstar」だ。リオン・ラッセルがせっせとこしらえ、カレン・カーペンターの魔法で世界中に響かせたあの曲だ。

 が、カーペンターズ名義のそれとはまるっきり感触が違う。フェイはその太い喉でときにブルージーに、ときにソウルフルに歌い上げている。彼女を追いかけるギターの少ないフレーズがいい引き立て役になり、後半振りかけられる女性バックコーラスもゴスペルの風味豊かだ。

 まさにお宝発掘である。こんな経験は久しぶりだな。それにしても集めたはずのアルバムがあっちこっちに、しかも無造作に置かれて困ったことになっている。あれが聴きたいんだけどどこにいったんだ、などと部屋の中で「発掘」する図というのはなんなんだ。

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2012年の収穫

 <BEST10>

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1 Fiona Apple  『The Idler Wheel Is Wiser Than...略』  12年


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2 Jason Lytle  『Dept. Of Disappearance』  12


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3 Bjork  『Biophilia』  11


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4 高橋優  『リアルタイム・シンガーソングライター』  11


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5 中村中  『聞こえる』  12


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6 Gang Gang Dance  『Eye Contact』  11


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7 Todd Snider  『Agnostic Hymns & Stoner Fables』  12


Kravitz_america_2


8 Lenny Kravitz  『Black And White America』  11


Grizzly_shields_2


9 Grizzly Bear  『Shields』  12


Rufus_game_2


10 Rufus Wainwright  『Out Of The Game』  12

 <次点10(ミュージシャンのアルファベット順)>

Alabamashakes_boys_2


・ Alabama Shakes  『Boys & Girls』  12


Deerhoof_break_2


・ Deerhoof  『Breakup Song』  12


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・ フジファブリック  『Star』  11


Silfra_2


・ Hilary Hahn & Hauschika  『Silfra』  12


Halcalinookawari_2


・ HALCALI  『ハルカリノオカワリ』  12


Focean_orange_2


・ Frank Ocean  『Channel Orange』  12


Poron_hoshizora_2


・ ぽろん  『星空の十二の物語』  12


Quruli_rutsubo_2


・ くるり  『坩堝の電圧』  12


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・ Renaissance  『Prologue』  72


Wilco_whole_2


・ Wilco  『The Whole Love』  11


 <今欲しいもの>

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1 Volkswagen Passat Variant


Danmitsu_2


2 壇蜜

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MUSIC 2011年の収穫

 2011年に手に入れたCDは全部で160枚弱。それ自体は例年とあまり変わらないが、今回はGang Gang DanceやLos Campesinos!以外に、頭をかち割るような強力な作品が見当たらなかった。それはともかく、上半期は安藤裕子や鈴木祥子をよく聴いてたな。とある曲を歌う安藤の声が小谷美紗子のそれに重なったのがきっかけだ。そこから彼女の作品を片っ端から聴き漁り、オマケのような形で鈴木祥子に辿り着いた。で、夏場から秋口にかけては少女時代にハマることになる。直近のシングル「The Boys」にはがっかりしたんだけどね。例えば「Hoot」に香り立つコリアン・テイストを損なってほしくはない。


 <BEST20>

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1 Gang Gang Dance  『Saint Dymphna』  08年


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2 Los Campesinos!  『Hold On Now, Youngster』  08


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3 伊藤ゴロー  『Cloud Happiness』  10


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4 Muse  『Black Holes And Revelations』  06


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5 斉藤和義  『45 Stones』  11


Hoot_snsd


6 少女時代  『Hoot』  10


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7 Admiral Radley  『I Heart California』  10


Light_jill_scott


8 Jill Scott  『The Light Of The Sun』  11


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9 Donavon Frankenreiter  『Move by Yourself』  06


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10 Gush  『Everybody's God』  11


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11 安藤裕子  『クロニクル』  08


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12 Florene + The Machine  『Lungs』  10


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13 Paul Simon  『So Beautiful Or So What』  11


Nakunai_tamurapan


14 たむらぱん  『ナクナイ』  10


Pretty_odd_panic


15 Panic At The Disco  『Pretty Odd』  08


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16 キノコホテル  『マリアンヌの恍惚』  11


Sweet_serenity_suzuki_shoko


17 鈴木祥子  『Sweet Serenity』  08


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18 Elliott Smith  『An Introduction to...』  10


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19 Elvis Costello  『National Ransom』  10


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20 安藤裕子  『Japanese Pop』  10


 <次点20(ミュージシャンのアルファベット順)>

・ 安藤裕子  『Merry Andrew』  06年
・ 安藤裕子  『shabon songs』  07
・ 安藤裕子  『The Best '03-'09』  09
・ Los Campesinos!  『We Are Beautiful, We Are Doomed』  08
・ capsule  『World Of Fantasy』  11
・ G. Love & Special Sauce  『Superhero Brother』  08
・ Jack Johnson  『To The Sea』  10
・ Lily Chou-Chou  『呼吸』  01
・ Muse  『The Resistance』  09
・ Tristan Prettyman  『Hello...x』  08
・ The Rakes  『Klang』  08
・ Rumer  『Seasons Of My Soul』  11
・ 坂本美雨  『HATSUKOI』  11
・ Salyu  『landmark』  05
・ The Sea And Cake  『Glass』  03
・ 相対性理論  『正しい相対性理論』  11
・ たむらぱん  『ノウニウノウン』  09
・ Them Crooked Vultures  『Them Crooked Vultures』  09
・ Weezer  『Hurley』  10
・ Paul Weller  『Wake Up The Nation』  10

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