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欲望には勝てず

Dylan_desire_2

【20年後のベスト5】

第1位  Desire  (1976)
第2位  Street-Legal  (1978)
第3位  New Morning  (1970)
第4位  Nashville Skyline  (1969)
第5位  Blonde On Blonde  (1966)


とにもかくにも、ここ3日ばかり聴き返してみた。

初期の作品群、例えば『The Freewheelin' ~』とか『Bringing It ~』は、吐き出される詩の純度はともかく、醸し出すサウンドの空気感がちょっとねぇ。『Highway 61 ~』もそう。最後の曲「Desolation Row」は今でも大好きなんだけど。
それと、The Bandとの蜜月時代の作品もなんだかなぁ。『The Basement Tapes』とかさ。彼らの匂いが今では逆に鼻につくのが意外。ザ・バンドは単独で味わう方がいい。だもんで、『Planet Waves』は圏外へ。
21世紀の作品も2つばかり食べ直してみたけど…。『Modern Times』と『Together Through ~』。ふーむ、今ひとつ。
替わりに気に入ったのが『Nashville ~』だの、『New Morning』だの。いいわこれ。

そして本命は『Desire』で決まり。やはりウソはつけない。当時から言ってきたことだけど、1曲目「Hurricane」のカッコよさったら。普通ならボツにするであろう、バックバンドを戸惑わせた「ミス」テイクを採用したディランは正しいよ。改めて思う。そうなんだ。40年前に正しかったことは今でも正しかった。どうすればこの熱い思いを伝えられるのだろう。それを彼は(おそらく)無自覚に知っていた。滅茶苦茶ホットなのにクールでもある。希有な才覚。そのひとつの証左が垣間見える。
あと、忘れちゃいけないのが、アルバム全編をふらふらと妖しく歩くスカーレット・リヴェラのバイオリン。そしてエミルー・ハリスの寄り添うボーカル。
オマケにジャケの写真。火傷する「Hurricane」は別として、このアルバム全体を覆っている穏やかさというか、ふわふわ感というか、ゆったり感というか、温かさというか…。そんな空気を横顔の目線ひとつで表現している。

すまん、『Street-Legal』くん。やっぱり欲望には勝てなかった。たはは。


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レノン・マッカートニーはもう無理

うわー!コワイ、コワイ。寒いくらい。
本当にどっきりした。こんな経験ていつ以来だろう。
まさか、まさか、まさか当たるとは。


ノーベル文学賞の季節か。今年もまた(ムラカミ)ハルキストの集いがあって、祈るんだろな。もはや風物詩と呼んで差し支えのないそんな光景がお約束のように報道されるんだろな。で、結局受賞を逃すんだろな。アフリカや南米あたりの作家受賞でお開きみたいな。

文学賞か。ミュージシャンなんかは選ばれないのかね。「音楽賞」というワクが無いなら、この文学賞で。例えばボブ・ディランとかさ。そのソングライティングに焦点当てるなら彼は詩人だろうし。まぁとりたてて彼のファンではないけど…。

受賞2日前、ぼんやりとそんな思いを巡らしてた。それもほんの一瞬。
そして本日夜、TVから何気にチャイムが…


【ニュース速報】 ノーベル文学賞にボブ・ディラン氏


はい?

うわー!コワイ、コワイ。寒いくらい。
本当にどっきりした。こんな経験ていつ以来だろう。
当たっちまっただよお嬢さん。


ところで、ディランが受賞するなら、次点はランディ・ニューマンだな。
それはともかく、ちょっと彼ディランのアルバム三昧に走ろうかな。一音楽ファンとして、やっぱり嬉しいもの。


さてさて、どうでもいいけど、ちょうど20年前に私はこんなこと↓をNIFTYのフォーラム、FBEATに書き込んでいた。
今回オマケに添えて、ではまた。ごきげんよう。

Dylan_street_3

『ストリート・リーガル』 1978年

ディランのアルバム数々あれど、どれもこれも最初の一発でノック・アウトされたものがない。いつも後からじわーっと来る。まるでボディー・ブローである。不思議。リアル・タイムで聴いた『Planet Waves』から『Desire(欲望)』までさえもそう。何なんだろ。
唯一の例外がこの『Street Legal』。後追いなんだけど、初対面でやられてしまった。さんざん悩んだあげく、私はこれを彼のベストに推すのかもしれない。

で、今しがた数年振りに聴き返してみた。…うーむ、やはりヨイではないか。うんうんこれじゃよこれ。
1曲目「Changing Of The Guards」。やや長めの尺ながら、アップテンポで切なく迫ってくる。
2曲目「New Pony」。イントロからぐっと引き込まれ渋い渋いメロディーの繰り返し。あらら発見っ、といっても大したことではないのだけど、クラプトンの「Steady Rollin' Man」と同じフレーズがある。まぁ、ロバート・ジョンソンは偉大なりと。
3、4曲目と続けていくうちに、このアルバムのあちこちに散りばめられたおそらく黒人女性のバック・コーラスのうねりがどうやら鍵を握っていると気づかされる。ゴスペル風味ながら宗教臭くはない程度の熱い掛け合い。うんうんこれじゃよこれ。
5曲目「Is Your Love In Vain」。歌われている内容は未だよく分からないんだけど、ぐぐぐっときちゃう愛の歌が黒光りし、たまらない。
6曲目「セニョール(nの上の~が書けないっ)」。これも一発で刷り込まれるメロディーだね。
7曲目「True Love Tends To Forget」。まぁ、タイトルだけで分かったような気にさせられる、てのはともかくとして、「Is Your Love ~」に負けず劣らず黒く輝いている。
残り2曲は割愛。ふは。
いやそれにしても、久しぶりのこのアルバム。楽しませてもらった。前述のようにバック・コーラスが非常に大事なスパイスなんだね。

ついでだ! 思い入れと思い込みでアルバムのランクをつけてしまえ!

第1位 Street-Legal
第2位 Desire
第3位 Planet Waves
第4位 Blonde On Blonde
第5位 Blood On The Tracks

以下は無し。だって聴き込んでないもの。


──NIFTY フォーラムFBEAT 【洋楽温故知新】部屋より(1996年3月11日、30日付)

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