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ディープ&スロー

Collection3

 どうやら私には5年周期でうずうずし、始めたくなることがあるらしい。そうだ。言わずと知れた和義だ。なんだまたかよ。ああ、そうだ。その通りだ。私は懲りない。芸がない。彼の作品群から気に入った曲をいくつか拾い上げ、それを並べるオムニバス盤の作製がそれだ。1回目はアコースティック・ライブ『十二月』がリリースされた翌年の2000年。2回目はそれから5年後。で、今年2010年。ああ、またやっちまったよ。作っちまったよお嬢さん3つ目を。

 ただし、今回はちょっとコンセプトらしきものを決めてみたぞ。どうだ。むはは。そこが前回、前々回と違うところだ。具体的にいうと、意図する、しないにかかわらず、今まで私から相手にしてもらうことがなかった曲達。そんな陰でいじいじしていた品々に日の目を当ててみようというコンセプトである。無造作にお気に入りを選んでいた1回目、2回目とは感触が明らかに違う。ポップさから遠く離れたディープでダーク・ブルーな色に染め上がっている。まるで深い深い海の底を這っているような。ゆらめいているような。

 例えば、皆でわいわい聴くにはまったくふさわしくない、夜中に一人じっと向き合うような曲が多々あり、聴けば聴くほどテンションがゆるゆる下がってくるであろう曲が少なからず用意されている。テンポは当然のように速くなく、ミディアム、あるいはスローだ。そのため、1曲が10分近いブツを含めた長尺揃いである。コードという名の骨組みはマイナー(短調)主体だ。歌詞はというと、ごく私的な日常のひとコマや心象風景の描写など様々だが、ときに赤ん坊のようにあまりにも無防備で無垢、ときに恥ずかしく、情けなくなるくらいおのれの弱さを腹の中からえぐり出して、聴き手の前にさらしている。「好きな人の手」や「僕をうずめて」あたりでは、まだ中途半端にしょろしょろするも、「無意識と意識の間で」まで来ると、一気呵成とばかりにどっと溢れ出す。さながらコップに溜められた水の表面張力が限界を超えたかのように。

 最後に持ってきた「アンコール」にはややファンタジックな味付けがあって、今回のコンセプトから少し浮いてはいるけど、まぁほんのり暖まって終わりたいという私の照れ隠しだと思われ。

 こうして、今までの私にとっては異色の、しかし大切な1枚ができ上がった。

 ●斉藤和義コレクション 3 ~DEEP & SLOW~

01 好きな人の手
02 僕をうずめて
03 何もないテーブルに
04 ある日の出来事
05 例えば君の事
06 無意識と意識の間で
07 引っ越し
08 桜
09 印象に残る季節
10 イレズミ
11 楽園
12 ため息の理由
13 アンコール


※コレクション『1』と『2』の曲リストは、記事【今様歌うたい 斉藤和義】にアップされている。
(ただし、『2』は昨年、「僕の見たビートルズはTVの中」と「好きな人の手」をカットし、新たに「新宿ララバイ」と「ベリーベリーストロング ~アイネクライネ~」を加えた再編集バージョンに替えてある)

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