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エレカシかくあるべし

Elephant_taiyo
 今年、久しぶりにエレファントカシマシがバンド然としたアルバムを出した。『昇れる太陽』というタイトルの。偶然なんだろうが、斉藤和義の『月が昇れば』とカブるな。というか対照、んにゃ、対称的か。んなことはともかく、21世紀のエレカシはやっぱりこういう風に弾けてくれなくっちゃ。エアロスミスなんか蹴飛ばしてやれいってなもんで。

 NHKで始まっている『坂の上の雲』的時代を思わせる書生っぽさの匂い立つ初期の彼ら、というか宮本ヒロジの書く詩や歌いまわしも良かったが、後追いの私にとっては『風』(2004年)と『俺の道』(2003年)がいまだに頂点である。以前も書いたように、「平成理想主義」~「達者であれよ」~「友達がいるのさ」ちゅう出だしの3曲に狂わされ、エンディングの「風」に漂う余韻で私を鎮めてくれたアルバム『風』は誰が何と言おうと彼等のマスターピースである。それに負けてないのが『俺の道』だ。度肝を抜かせた「生命賛歌」から「俺の道」への流し方ったら絶品この上ない。

 この両作にヤラれてしまった私がかけたその後の彼らへの期待は、しかしながら裏切られることになる。『町を見下ろす丘』(2006年)も『Starting Over』(2008年)もなってない。薄っぺらな音。そう。サウンドが分厚くなかったのだ。メロディも弱い。ユーミンのカバーなんかやってくれなくてもいいのに。何故前作のように団子のカタマリとなってぶつかってきてくれなかった。そう感じてた。

 そうした音に対する不満は、ようやく今回の『昇れる太陽』で解消された。これだよこれ。これを待ってたのだ。特に「おかみさん」と「It's My Life」がいい。「おかみさん」は詩も特筆できる。間もなく22世紀だね、な2100年の未来風景の中、のんびり布団を干すおかみさんの図。このミスマッチ。違和感。非日常と日常の対比。シュールだねぇ。乗せるサウンドはとにかく激しく豪快だ。うねりまくってる。『風』の「平成理想主義」ほどではないにせよ。

 1曲目「Sky Is Blue」もまずまず。ただね、2曲目「新しい季節へキミと」はどうだろう。このどこにも隙のない完成度の高さはどうだろう。うーん。ちょっとなぁ…。ラストの「桜の花、舞い上がる道を」もなぁ。こういう風に歌い上げてほしくはなかった。…といういくつかのケチをつけても前作、前々作と比べればお釣りはくる。

 さて、2000年代も終わりが見えてきたので、21世紀に出た彼等のアルバム番付をして今回はお茶濁そ。


・東の横綱 『風』
・西の横綱 『俺の道』

・大関 『ライフ』

・東の関脇 『昇れる太陽』
・西の関脇 『扉』

・小結 『DEAD OR ALIVE』

・前頭10枚目 『町を見下ろす丘』

・前頭13枚目 『Starting Over』

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