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マイ・オムニバス VOL.29 後

【大阪と東京】 77~79年 4/6

11 夢の旅人 / ポール・マッカートニー&ウィングス
12 コパカバーナ / バリー・マニロウ
13 ターン・トゥ・ストーン / ELO
14 きらめきの序曲 / アバ
15 霧のベイカー・ストリート / ジェリー・ラファティー
16 ユー・リアリー・ガット・ミー / ヴァン・ヘイレン
17 今夜はブギ・ウギ・ウギ / テイスト・オブ・ハニー
18 キャント・スタンド・ルージング・ユー / ザ・ポリス
19 バック・イン・USA / リンダ・ロンシュタット
20 アライヴ・アゲイン / シカゴ

 70年代終盤。こうやって眺めてみると、リアルタイムで印象に残る曲がほとんどない。デビュー時のヴァン・ヘイレンやポリスの凄みを知るのも数年先だ。っても仕方がない。チャートはおろか、洋楽そのものに当時の少年は愛想をつかせていたのだから。興味の矛先は東京の大学に通う少女M、もとい、にっぽんのミュージック・シーンに向けられ始めていたのだ。サディスティック・ミカ・バンドの『黒船』、四人囃子の『ゴールデン・ピクニックス』、ハイファイ・セットの『ファッショナブル・ラヴァー』。他にはサザン・オールスターズ、風、チューリップ、ユーミン、そして少女M…だから違うって。

 予備校は東京でもよかったはず。少女と一緒の生活を選ばず、大阪を選んだことが正しかったのかどうか問うても、もう20数年も前のこと。

 吹田のアパートで、チューリップ「サボテンの花」サビの歌詞に胸えぐられたのは、あれはなぜ。草加の下宿で、ハイファイ・セット「星のストレンジャー」イントロのサックス導く銀色と虹色が入り交じったきらきらに胸ふさがれ、「朝陽の中で微笑んで」の宇宙スケールに打ちのめされたのは、あれはどうして。大阪と東京。離れていても二人の心はひとつ、であるはずもなく、「距離」の意味を思い知らされた1年。東京が日本の顔だという思い込みを覆させてくれた大阪には感謝しても感謝しきれまい。トン汁もうまかった。しかし、代償も大きかった。

 1年後、桜の花びらは散り、吹田の町は歩道も車道もピンク一色の絨毯と化した。窓越しにそれを眺める少年を乗せた列車は少女のいる東京に向かうことになる。幕は下りていた。


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