« 20世紀少年どこへゆく | Main | 看護婦は走る »

MUSIC 2005年の収穫

 <BEST8>
1 T. Rex  『Born to Boogie』(DVD)  05年
2 Rufus Wainwright  『Want Two』  04
3 Wilco  『Kicking Television : Live In Chicago』  05
4 Bright Eyes  『Letting Off The Happiness』  98
5 Chris Robinson  『This Magnificent Distance』  04
6 Neil Young  『Sleeps With Angels』  94
7 Hayden  『Everything I Long For』  95
8 Cornershop  『Handcream For A Generation』  02


Trex_born
 企画された彼らのCD群は枯れるということを知らない。一体全体どこから掘り出してくるんだ。もう底をついてるはずだろがT.レックスの音源。30年近くが経つんだぜマーク・ボランが死んでから。もういい加減にせ…いや、ちょっと待て。な、なんじゃこりゃ。そうなのだ。長年ぶーたれていた私の口を閉ざすとんでもないブツが現れてしまったのだ。しかもDVDで、だ。おいこら。なんでこんな黄金を隠していたんだ長いこと。こういうのを出さないで適当な編集物をちまちま出すんじゃないよこの野郎。くそぉ。これこそ最後の至宝だ。もう次はないよな。出さないよな。
 ところで問題がひとつあるのだ。重大な問題が。それは、DVDプレイヤーというものを私が持っていないということなのだ。どうする。愛降る。


Wainwright_wanttwo
 故ジム・モリスンがかつてクルト・ワイルに傾倒したように、未来のジム・モリスンはルーファス・ウェインライトの作品を必ずやカバーする。2nd『Poses』(01年)を聴くにおよんでそう確信したことに今でも変わりはない。がしかし、3rd『Want One』(03年)やこの4th『~ Two』の荘厳な、というより大仰な展開を見せられ、かつ汎ヨーロッパちゅうかユーラシアな香りを嗅がされた私はひとつの不安を感じ始めている。むー。もしやあっちの世界に飛び立っちまうんじゃないだろなおいらを置いて。もっとストリートな匂い、もっと下世話な下町の喧騒さ。そんなぐしゃぐしゃした中でこそきみは美しいのに。
 ベスト2に、しかし放り込んでしまったのは去年の3月末、仙台でのあの夜のひとときがあったから。それが理由なのかもしれない。


Chrisrobinson
 どうやら空中分解してしまったらしいバンドThe Black Crowes。彼らのアルバムから一品選べと問われれば、『Three Snakes And One Charm』(96年)だと即座に私は答えることができる。これほど闊達でありながら繊細、そしてえっちな作品は以前にも以後にもない。スピーカーから吹きつけられて部屋に広がる空気は、かつて私を夢中にさせたアメリカン・ロック果汁の味や匂いだらけであり、なんだか大らかなナニモノカにゆったり包まれてしまう。変拍子だのスライド・ギターだのニューオーリンズ風味だのかつての"サザン"だのゴスペルだのドゥービーだのリトル・フィートだの「レイラ」に舞ったデュエインとクラプトンだの。だけでなく、大西洋の向こうにどっかり座ってたはずのZepちゅうか、ジミー・ペイジにちらりと目くばせしてみせたりだの。さらにブーツィ・コリンズやらジョージ・クリントンやら、はたまたスライ・ストーンばりのクールなボーカル達の掛け合いにファンキーさを盛り込んだりだの。ああ、とてもイヤらしいぞぉ。ヨダレが垂れてくるぞぉ。
 そんな味わいは剛速球一本やりな『By Your Side』(99年)以降ついによみがえることはなかった。クリス・ロビンソンのソロ『ジス・マグニフィ~』が登場するまでの8年間。肩の力やえっちさを抜いた渋めの仕上がりがちょっち物足りないにせよ、このソロは紛れもなく『スリー・スネイクス~』に流れていた色だ。これだよ。これを待ってたんだ。


Young_sleeps
 今頃になってニール・ヤングをさかのぼり中、なつかけんである。『スリープス~』はいつぞやの<ベスト~>に挙げたTom Pettyの『Echo』(99年)に通ずる凄みや懐の深さがある。それにしても変だな。『Tonight's The Night』(75年)を除けば、『After The Gold Rush』(70年)も『Harvest』(72年)もこれっぽっちだって私を振り向かせることはなかったのに。


Hayden_everything
 「Skates」そして「When This Is Over」。この2曲だけでもう降参である。ぶっとびである。ときおりトム・ウェイツばりの喉でがなりたてる云々…。そんな紹介なんぞどうでもいい。そんなこたぁまるっきり関係ない。日常に潜む非日常のリアリティ。こんなにも切ない、あるいは悲痛極まりない等身大のストーリーをどうしてここまで描写できる。どうしてここまで歌える。痛くはないのか。痛いから吐き出すのか。カナダのソングライター、ヘイデン。皮一枚すらない、むき出しのシンガー、ヘイデン。何者なんだきみは。


 <次点(アルファベット順)>
・ Aksak Maboul  『Onze Danses Pour Combattre La Migraine』  77
          (邦題:偏頭痛のための11のダンス療法)
・ Trey Anastasio  『Plasma』  03
・ Barefoot 7 (Wayne Moss)   『Wayne's World』  01
・ Jeff Beck  『Live At BB King Blues Club』  03
・ Elvin Bishop  『Struttin' My Stuff』  75
・ Bjork  『Vespertine』  01
・ Elvis Costello  『North』  03
・ Bob Dylan  『Live 1975 - The Rolling Thunder Revue』  02
・ Fleetwood Mac  『Tusk』  79
・ Mike Gordon  『Inside In』  03
・ Neil Michael Hagerty  『Plays That Good Old Rock And Roll』  02
・ Jesse Harris  『While The Music Lasts』  04
・ June & The Exit Wounds  『A Little More Haven Hamilton, Please』  00
・ Ronnie Lane  『Anymore For Anymore』  74
・ Lio  『Des Fleurs Pour Un Cameleon』  91
・ Lisa Loeb  『The Way It Really Is』  04
・ Rhett Miller  『The Instigator』  02
・ The Move  『Great Move!』  94
・ Oysterhead  『The Grand Pecking Order』  01
・ Quiet Melon  『Moneydue』  98
・ R.E.M.  『New Adventures In Hi-Fi』  96
・ Rebekah  『Remember To Breathe』  98
・ りりィ  『Dulcimer』  73
・ Spookey Ruben  『What's A Boy To Do?』  98
・ 斉藤和義  『青春ブルース』  04
・ Ron Sexsmith  『Retriever』  04
・ Pete Sinfield  『Still』  73
・ Super Furry Animals  『Phantom Power』  03
・ Tempest  (USA)  『Turn Of The Wheel』  96
・ Vallejo  『Stereo』  02

|

« 20世紀少年どこへゆく | Main | 看護婦は走る »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/11727/8020858

Listed below are links to weblogs that reference MUSIC 2005年の収穫:

« 20世紀少年どこへゆく | Main | 看護婦は走る »