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ひゅんひゅんひゅん

 神秘、幻想、幽玄。あちらの世界。初来日したピンク・フロイドが演奏の場に選んだのは箱根の山ではなかったか。霧が出たかどうか定かではないが、もしそうならこれほどふさわしい場所はないだろう。

 という訳で、霧がすっぽり覆う箱根の夜道にキング・クリムゾンちゅうのもオツなものではあった。それにしたってガードレールとかによく衝突しなかったもんだ。谷底によく落ちなかったもんだ。ぞぞぞっ。

 さて、別の日のことである。同じく真夜中の箱根山中というのは話ができすぎ…。できすぎってか。うーむ、ぼ、ぼくのしずかちゃんを……同じパターンだってば。

 その夜、珍しく霧はかかっていなかった。幾千万の星が降ってくる。その中を中古のミラージュはすいすい、んにゃ、相変わらずへこへこ走っている。山道をくねくね登っていると、突然前方の夜空がぱぁっと明るくなった。はぁ。なんだ。

 唖然としているミラージュのちょうど真上を2列(だったと思う)縦隊のまばゆいオレンジ色(だったと思う)した発光物体が音もなくひゅんひゅんひゅん。なんだありゃ。自衛隊か。米軍のヘリか。こんな夜中に飛んでいるのか。いや、この至近距離だろ。なのに爆音どころか音ひとつ聞こえないぞ。それとも雲かなにかに反射した車のライトか。それにしたって"自分"でくっきり色鮮やかに発光しながら真っすぐ走り去ったぞ。そもそも今この山道を走ってるちゅうたらオレの車と前を行く1台のトラック以外に全然見当たらないじゃないか。ふーむ……もしやこれが巷で噂の……。はは。

 たちまち恐怖に襲われた私のただ一つの心の拠り所がそのトラックだったのは言うまでもない。お、置いていかないでトラックさん。

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