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マイ・オムニバス VOL.23 後

【リズム】 75年 10/10

11 哀しみにさようなら / ポール・サイモン&フィービ・スノウ
12 アイランド・ガール / エルトン・ジョン
13 チャイニーズ・カンフー / バンザイ
14 明日なき暴走 / ブルース・スプリングスティーン
15 口づけでおやすみ / スリー・ディグリーズ
16 サタデイ・ナイト / ベイ・シティ・ローラーズ
17 ディスコ・ベイビー / ヴァン・マッコイ
18 キープ・オン・ムーヴィン / ディープ・パープル
19 銀嶺の覇者 / ブラックモアズ・レインボウ

 出たのよ。出てしまったのよ私の弱点を突く作品がまた。あ、おやめになって。サックスが絡む怒涛のロックンロールさん。あ~れ~。でもね、このツボ打ちシングル「明日なき暴走」以外は全然。何回聴いてもいまだに馴染めないんだ収録アルバムには。どこがいいんだろこのアルバム。ジャケは文句無しなんだけどね。ついでながら以降のアルバムも全滅だ。『リヴァー』も『ネブラスカ』も私には届いてくれなかった。『ボーン・イン・ザ・USA』に至ってはお話にすらならなかった。これを聴くくらいならチーチ&チョンがパロった「ボーン・イン・ジ・イースト・LA」というビデオクリップを見てる方が100倍いい。結局ブルース・スプリングスティーンというシンガーは後追いした1st『アズベリー・パークからの挨拶』と2nd『青春の叫び』そして3rdなら先のタイトル曲だけを残して私の前から消えたのだ。

 ポール・サイモンという人はリズム・マニアである。鬼である。
 稀有なメロディ・メイカーであるのと同時に選びぬかれた言葉を紡ぐ優れた詩人でもあるという話には、だからここでは触れない。そのポールがデュオ時代からソロになってもこだわり、腐心し続けているのがリズムである。S&G時代の例えば「ミセス・ロビンソン」、「コンドルは飛んで行く」、「いとしのセシリア」等で披露していた脱"欧米"リズムは、彼がソロに転じるや一気に花開く。「ダンカン」だの「母と子の絆」だの「ぼくとフリオと校庭で」だの「コダクローム」だの「夢のマルディ・グラ」だの。リズムの鬼はアメリカ南部湿地帯から中南米高地を駆け巡り、西は太平洋の島々へ、東は大西洋を越えてアフリカへ。あちこち飛び回ってはこう言うのだ。リズムじゃ。リズムをくれぇ。アフリカといえば80年代に『Graceland』というアルバムもあったな。21世紀の今も鬼はどこぞの村に出没しているのだろうか。…こうして最初書こうと思ってたフィービ・スノウとのコラボ云々話は消えていくのであった。ふは。

 風向きは変わった。確かに変わった。70sを疾走したこちらも稀有なメロディ・メイカー、エルトン・ジョンが結束を誇ったこれまでの盟友達に別れを告げたのはこの頃だったんだ。『キャプテン・ファンタスティック~』は破裂寸前まで膨れ上がった風船アルバムでしかなかった。もはや限界である。新たにバックバンドを組み直しリリースした75年のアルバム『Rock Of The Westies』で、だからエルトンが風向きを変えたのは当然だ。それまでのメロディからリズム、それもファンキーかつ硬質なそれへとシフトしたこの作品は「さすらいの弾丸」の湿り気を帯びた叙情や「アイランド・ガール」のポップな味付けを除けば空気はより乾いたものになり、リズムはより激しく、重くなった。とりわけ1曲目のメドレー「助けて!/水曜の夜じゃないと/厄介女」残り1分間の展開やらラストの「ビリー・ボーンズと白い鳥」でエルトンが叫ぶ"Check it out!"の繰り返しったら鳥肌もんである。ハードだよ。ヘヴィだよ。しかしこれも70sの愛すべきエルトンの一面なのだ。大切なアルバムであることに今も変わりはない。

Elton_westies


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Comments

私のブログにコメントいただきましてありがとうございました。
TBしましたmoondreamsです。
’75当時、クラスメイトの洋楽好きの女子はBCRに夢中でした。
私は、その女子に好かれようと、本当は日本のアイドルシンガー
に夢中でしたが、洋楽もかなり聴くようになりました。(笑)

Posted by: moondreams | May 21, 2005 at 23:11

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Tracked on May 21, 2005 at 15:44

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