« マイ・オムニバス VOL.21 前 | Main | 地球という星を知ってるかい »

BOOKS 2004年の収穫

 ほとんど旧刊わずかに新刊

 <BEST5>
1 『レベル7』  宮部みゆき
2 『黄金旅風』  飯嶋和一
3 『夕立太平記』  宮本昌孝
4 『終戦のローレライ』  福井晴敏
5 『震源』  真保裕一

 <次点(あいうえお順)>
 『それ行けミステリーズ』  赤瀬川準
 『プリズンホテル 冬』  浅田次郎
 『きんぴか』   〃
 『眠たい奴ら』  大沢在昌
 『北の狩人』   〃
 『博士の愛した数式』  小川洋子
 『武揚伝』  佐々木譲
 『手紙』  東野圭吾
 『渋松対談Z』  松村雄策、渋谷陽一
 『蒲生邸事件』  宮部みゆき
 『夏雲あがれ』  宮本昌孝
 『影武者徳川家康』  隆慶一郎
 『見知らぬ海へ』   〃

 なんだいきなりこういう導入。なんだつづく展開また展開。そして見えてる結末すら許してしまう構成。ずっぽりハマってもう脱け出せないじゃないか。『火車』とか『魔術はささやく』とかに漂っていたある種の救われなさや重苦しさは、あれはなんだったんだ。この『レベル7』は私の目からウロコンタクトレンズだよ。ごめんよみゆきっち。もっと早くこれに出会っていればよかったんだ。だいたい宮部はいいぞいいぞとまわりの皆があまりに言うもんだからヘソを曲げてもいたのさ。もう曲げないよ。ほら見てごらんよぼくのヘソ、ほら。ほら。…変態だ。

 『亡国のイージス』の重厚さに圧倒されたことを覚えている私にとって『終戦のローレライ』は読む前から気の重い作品だった。手にも重いぞ。上下二巻しかも分厚い。こんなん最後まで読み通せるのかいな。案の定上巻途中まではツライものがあった。背景説明やら回想シーンがやたら挿入されているのだ。しかも微に入り細に入り。そこまで精緻に過ぎなくても。そもそも投げ掛けるセリフと応えるセリフの間にどうして別の文章があるんだ3ページも4ページも。昔テレビでやってた『巨人の星』だよこれじゃまるで。CMを挟んだ30分間で飛雄馬は2球しか投げていない。番組終了間際にようやく3球目を投げる。さぁどうする花形満…つづく。おいおい。みたいな不満を、しかしきれいさっぱり忘れさせ、わくわくさせてくれた至福の上下二巻。美しきローレライ。シーゴーストと呼ばれた潜水艦。絹見艦長そして乗組員一同。あっぱれ折笠征人。

 『連鎖』が最初の出会いだったかな。『密告』を除けば真保裕一の作品でがっかりさせられた試しはなかったと思う。前の年も『奪取』や『黄金の島』など彼の名を見つけたらとりあえず引き抜いて読んだ。こうして探り当てたのが『震源』である。『ホワイトアウト』にもシビれたがこちらのスケールの大きさにも揺さぶられた。『ホワイト~』同様主人公の行動力というかパワーというか、人間離れしてるもんでおいこらちょっと待てよ、なときもあるのだがまぁそれはそれ。娯楽はこれでよいのだ。どきどきわくわくひょいひょいはらはら。

 『黄金旅風』と『夕立太平記』についてはどこかで触れたな。がさごそ。『黄金~』ならまんまここで。『夕立~』ならちょろっとここで。

 それはそうと白石一文が心配だ。『見えないドアと鶴の空』は次点にすら入れなかったぞ。一作目いきなりピークであとはごろごろ坂を転がり下っていくのかよ。なんだかなぁ。小説家一本で行く、なんて宣言しない方がよかったんじゃないか。二足のワラジのままでよかったんじゃないか。

|

« マイ・オムニバス VOL.21 前 | Main | 地球という星を知ってるかい »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/11727/2415476

Listed below are links to weblogs that reference BOOKS 2004年の収穫:

« マイ・オムニバス VOL.21 前 | Main | 地球という星を知ってるかい »