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マイ・オムニバス VOL.19 後

【きらいやクイーン】 75年 2/10

12 土曜日の誘惑 / モット・ザ・フープル
13 黄金銃を持つ男 / ルル
14 キラー・クイーン / クイーン
15 オー・ワンダフル / GFR
16 夢の夢 / ジョン・レノン
17 一千億光年の彼方 / スティーヴィー・ワンダー
18 エイント・トゥ・プラウド・トゥ・ベッグ / ローリング・ストーンズ
19 ユー / スリー・ドッグ・ナイト
20 恋のジュークボックス / ルベッツ
21 レット・ミー・ビー・ゼア / オリビア・ニュートン・ジョン
22 ジップ・ガン・ブギー / T.レックス

 「ロックンロール黄金時代」にヤラれた少年が次のシングル「土曜日の誘惑(Roll Away The Stone)」にむしゃぶりついたのは当然であろう。掻き上げるギター・リフもごきげんだが、外れた音程などまるで気にもかけないイアン・ハンターのボーカルが相変わらずいい。それを追いかけるシャラララなバックコーラス陣もいい味出している。もちろん腰の位置でうなるサックスは健在だ。えっちだ。チープだ。ええぞぉ。この猥雑さをさらに輝かせているのが突如登場するリンジー・ディ・ポール嬢だ。イアンとの喋りのやりとりだけなんだけどね。それも二言。逆にそれがいいのだきっと。もっと聞きたいと思わせながら消えていくのだから。でもなぁリンジー嬢のあのかわゆい生声だもんなぁ。もっと聞きたかったよなぁやっぱり。ついでながら直後の「んははは」ちゅうイアンの笑いも最高である。二人のこのやりとりを聞くだけでも「土曜日~」には価値があるってもんで。

 ところでこの曲はオリジナルアルバム『The Hoople(ロックンロール黄金時代)』で聴くことだ。間違っても『Greatest Hits』で聴いてはいけない。絶対にいけない。リンジー嬢の声を今か今かと待ってたら、な、なんだこのドスの利いた低い声。ち、ちがーう。これはリンジーじゃないっ。別の女性にすり替わっているっ。断りもなく勝手なことしやがって。契約・版権絡み云々で済ませられるかばかもの。ううう。これは裏切りだってば。おいらのあたいのリンジーを返せっ…と泣きわめくのは間違いない。経験者は語る。

 シングル「Keep Yourself Alive」が何だこりゃ邦題をものともしないストレート・パンチを少年に一発見舞うところから始まった…といえばクイーン。そうなのだ。またまたクイーンなのだ。みるみるうちに目の回りを大きなクマが走る。熊ではない。墨で描いたようにまるで。で、ふらつく少年に1stアルバムが容赦なくボディブローかますっと。続くシングル「輝ける七つの海」のアッパーカットにのけぞった少年を2ndアルバムがロープ際で連打連打。ここでタオルが投げ込まれそうになる。が、血まみれのグローブでそれを拒否する少年。かーんっ。ゴングが鳴り倒れ込むようにコーナーに戻る。よぉおっちゃん、それを投げたらいいか。オレはアンタを一生許さないぜ。なんだ西。なに泣いてんだこんな大勢の前でよ。へっ、そんな情けねぇツラじゃのりちゃんに笑われるぜ。まぁ黙って見てなオレの最後をよぉ二人とも。かーんっ。ところで葉子はどこにいったんだ。きょろきょろ…★☆!!□△×?◎#@。少年を襲ったのは果たしてとどめの『Sheer Heart Attack』だった。見事なノックダウン。ドクターストップ。ど、どこにいったのようこちゃん。台本と違うじょー。

 さてさて1stからつながる3部作の完結編みたいなもんだったこの『Sheer ~』には問題作が一つ含まれている。それが「キラー・クイーン」だ。「キラー~」はクイーンが広く認知された最初の作品といっていい。少なくとも日本では。というより彼らを最初に認めたのが日本のファンだったんだよな。出番はまだだぞチープ・トリック。ところが今までの毛色とは明らかに違う。少年は戸惑ってしまう。なんなんだこれ。この"異色"シングルが成功しちまった秘訣はどこにあったんだろう。フレディの趣味ヴォードヴィル調を織り込んだ色合いか。それともサビに到達するまでの展開か。3分間の中に色々なアイデアを散りばめながら散漫というわけではなく、職人がコツコツ作った丁寧な飴細工とでもいうか。彼らにとってある意味実験的なブツだったに違いないのに出来上がりは極めてポップだ。それは聴く場所や状況を選ばないということだ。運転中のクルマだろうが、部屋に置かれたスピーカーの前だろうが。聞き流そうが、じっくり向き合おうが。とまぁ今にして眺めればそんなこんなが見て取れるのだけど。だが当時の少年はこれ以降例えば「ボヘミアン・ラプソディ」へと流れていくにつれて彼らを見限ることになった。『オペラ座~』はほとんど聴かなかった。聴けなかった。『ジャズ』ならライ・クーダーの方だろ。そうほざいた。「キラー・クイーン」は分岐点だったのだ。クイーンにとっても。少年にとっても。

Queen_sheer


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Comments

懐かしい歌ばかり乗ってましたがいまイギリスでキーンがヒットしているのを考えると昔の古い歌をあれんじしなおしてだすのもよいかとおもいます

Posted by: 半田浩二 | Nov 07, 2004 at 21:41

キーンですか。Keane。潔い名前のバンドですね。
いつだったかそのネーミングを真ん中にあしらったジャケを手に取ったことはあります。取ったというだけで買った訳ではないですけど。はは。しゅみましぇん。ど、どんな音出す連中ですか。
実はここ10年ほど私の目はもっぱらアメリカ大陸に向いてましてん。大英帝国はねぇ、いつぞやのポール・ウェラーとかオーシャン・カラー・シーンとかブルートーンズとかリーフとか、あとはせいぜいエディ・リーダーくらい。あと何があったっけ。ブラーもオアシスも全くときめかせてくれなかったしなぁ。…だったりします。イロイロ教えて下さいね。

Posted by: つかけん | Nov 09, 2004 at 21:23

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