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マイ・オムニバス VOL.19 前

【舵切るサイン】 74年 11/11 ~ 75年 1/10

01 マシンガン / コモドアーズ
02 ロングフェロー・セレナーデ / ニール・ダイヤモンド
03 恋のめまい / バックマン-ターナー・オーバードライブ
04 アンジー・ベイビー / ヘレン・レディ
05 詩人(ポエトリー・マン) / フィービ・スノウ
06 ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンド / エルトン・ジョン
07 エマニエル夫人のテーマ / sound track
08 吼えろドラゴン / カール・ダグラス
09 ディン・ドン / ジョージ・ハリスン
10 嵐の女 / ディープ・パープル
11 雨に微笑みを / ニール・セダカ

 自分で収録しておいてナニなのだが、このオムニバス集には苦手なミュージシャン名が少なからず登場してくる。それも繰り返し。いくら繰り返されてもこちらは困るのだ。薄い思い入れでコメントなど書けるわけがないのだ。だったらなぜあれもこれも収録したとは言わんといて。たはは。すまんロボ。許せよジム・クロウチ。

 今回もいるのだ。ニール君である。ダイヤモンド君である。もちろん漫才師ではない。刷り込みだった「スウィート・キャロライン」がかろうじて持ちこたえられそうだが、他の作品は全滅である。降参である。ごめんよかもめのジョナサン。

 んで、同じ轍を踏むかと思わせたベテランがもう一人いる。ニール君である。セダカ君である。二人合わせて…だから違うってば。「カレンダー・ガール」だの「スーパーバード」だの、右の耳から左の耳へ通りすぎて終わるかと思わせた彼はただ1曲だけを私の耳に力強く刻みつけて去っていった。それが「雨に微笑みを」なのだ。なにより優れた楽曲と小粋なアレンジだけの勝利かと当時は思っていたが、今聴くとセダカ君の声質、磨き込んでいくような歌い回しこそがこの作品に命を吹き込んだのだと気づかされる。喉や舌や鼻や口という楽器を侮るなかれ。私がこの曲を口ずさむとき、彼のボーカルそのものをなぞっているにすぎない、のだ。

 ところで今回のラインアップを見渡せば、"お初"の名が11組中4つもあるではないか。コモドアーズ、バックマン-ターナー・オーバードライブ、フィービ・スノウ、そしてカール・ダグラスだ。カールの「吼えろドラゴン」の登場は時代が舵を切り始めるサインだったのかもしれない。ディスコという酒池肉林の海への。

 コモドアーズの「マシンガン」のあの出色さはなんだったんだろう。アース、ウィンド&ファイヤーの快進撃と歩調を合わせるかのように彼らはその独特なファンク色をやがて失ってゆく。ディスコに溺れることはなかったが、魚一匹棲まないAORという名の死海に片足を突っ込むことになる。数年先、両足まで突っ込んじまったライオネル・リッチーを切り離した後の彼らには、しかし、もはやマシンガンをぶっ放す余力は残っていなかった。不幸なことだと思う。

 エルトンもジョージもパープルも煮詰まり、あるいは失速し始める中、新鮮だったのがフィービ・スノウやゲス・フー、もといバックマン-ターナー・オーバードライブ…長いなこれ。略してBTOだった。フィービについては以前書いた通りである。このデビュー時を含む初期の瑞々しさのみが今でも鮮やかなのだ。ワン・アンド・オンリーなのだ淡い色合いにもかかわらず。んで、こちらチェーンソーでざくざくと大木を削る様を見せられているような爽快感を味わわせてくれたBTOは…えーと、ありゃ、どこに行っちまっただ。探すのはこりゃ難儀なこった。カナダの樹海はあまりにも広く深いでの。


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