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マイ・オムニバス VOL.18 後

【撃ったのは自分かもしれない】 74年 10/11

11 真夜中を突っ走れ / ジョン・レノン
12 愛ある世界を求めて / オズモンズ
13 ジャズマン / キャロル・キング
14 1984 / デヴィッド・ボウイ
15 ワイルド・ワン / スージー・クァトロ
16 トゥナイト / ルベッツ
17 オーバーナイト・センセイション / ラズベリーズ
18 プリーズ・ミスター・ポストマン / カーペンターズ
19 ジュニアーズ・ファーム / ポール・マッカートニー&ウィングス
20 オンリー・ユー / リンゴ・スター

 『キリング・フィールド』という映画がある。「赤いクメール」が絡む75年当時のカンボジアを舞台に奮闘するプランという名の現地通訳とアメリカ人記者が出てくるあれだ。この映画のあちらこちらに流れるマイク・オールドフィールドの調べは適度に抑えられていていい味出している。ラストにジョン・レノンの「イマジン」を持ってきたのは、しかし、気分悪かった。あれは過剰演出というものだ。私なら使用許可しなかったぞ。どうしても使いたいのなら「真夜中を突っ走れ」にでもすればよかったんだ。4年ぶりの再会を果たす二人には手を取り合って軽やかに踊ってもらおうこのロックンロールで。楽しいぞ。腰が動くぞ。どうだ監督。なに。涙流して抱き合うシーンには合わない? だったら最初から使うんじゃない。心揺さぶられるシーンに音楽は邪魔以外のなにものでもないことがほとんどなのだ。耳になじんだそれなら最悪というものだ。

 ところでその『キリング・フィールド』にはほんのわずかだがポール・マッカートニーの「ジュニアーズ・ファーム」…じゃなかったな、「バンド・オン・ザ・ラン」が流されている。軍の攻撃を受け壊滅した町はすでに無表情であり、巡回するジープ上のアメリカ軍女性?兵士の顔にも表情というものがない。耳にあてられた携帯ラジオから聞こえてくるのだその「バンド・オン~」が。この落差は秀逸である。「イマジン」のそれと比べて云々レベルの話ではない。

 それにしてもどっちを向いているんだ今回。音楽なのか。映画なのか。そもそもこれのどこがオムニバスの話なのだ。これでいいのか。いいのか。いいのだ。進めよなまけもの。

 ということで、さらに『キリング・フィールド』。この映画は処刑シーンをそこかしこに散りばめている。赤いクメールだったか政府軍だったか、それともアメリカ軍だったか。どこでもいいか。相手をヒトと見なしてないことの最も不幸な瞬間の連続。
 とはいうものの、戦争という名の狂気は当事者をしてそれを不幸だと感じさせてくれないのかもしれない。銃を持つ当事者に自分がならなかったのは偶然なのだろう。虫けらのように撃ち殺されたヒトが自分でなかったように。かの人達と自分はどこがどう違うというのだ。
 帰還後、"普通"の生活に戻されたかつて銃口を無抵抗の頭に当て引金を引いたことのあるヒト達の、その罪を背負ってる意識の突然の目覚めを想像してみ…。などと安易な想像は少し躊躇されるも、それこそImagine。想像してごらん、だ。
 ヒトが登場して以来、限りなく繰り返される古今東西ありとあらゆる戦の中で無限に繰り返されるこの手のシーン。今もどこかできっと繰り返されている。「あちら」の世界じゃない。「こちら」の世界で。


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