« マイ・オムニバス VOL.8 前 | Main | 横浜横浜横浜 »

マイ・オムニバス VOL.8 後

【4月のかけら】 73年 1/11

11 ピース・オブ・エイプリル / スリー・ドッグ・ナイト
12 イージー・アクション / T・レックス
13 カリフォルニアの青い空 / アルバート・ハモンド
14 クレイジー・ママ / スレイド
15 明日を生きよう / ラズベリーズ
16 ハイ・ハイ・ハイ / ポール・マッカートニー&ウィングス
17 スウィート・サレンダー / ブレッド
18 クレイジー・ホース / オズモンズ
19 ベンのテーマ / マイケル・ジャクソン
20 ダイアログ / シカゴ

 その分かりやすいメッセージが鼻につく「Black And White」は運の悪いことに、そうかいこれがすりーどっぐないとかい、という第一印象を私に持たせてしまった。彼ら独特のウィットやユーモア、底抜けのエンターテインメントを私が知るのはもう少し先のことである。で、「ピース・オブ・エイプリル」はそのどちらにも属さない、という点で少々変わっている。しかしぽよよ~んとしたイントロが導く静かで穏やかな世界が、楽しさばかりがポップスの魅力じゃないんだぜ坊主、と教えてくれたのは間違いないのだ。このグループには三者三様のボーカリスト達がいた。サッカーでいう3トップみたいなもんである。三つのボーカルが絡み合い、掛け合う様は迫力があり楽しさに満ち溢れているのだけど、この「ピース~」はそんな賑やかさの対極にある。ゆったりしたテンポに少ない楽器。そこに抑えたボーカルが漂う前半の図は絶妙である。下がるはずの旋律をぐっと上げて伸ばし切る終盤のボーカルもまたこの曲の不思議な魅力だと思っている。などと聴き返しもせず成り行き任せでここまで書いているが、私のスリー・ドッグ・ナイトはこうしてこの曲に着陸するのだ。三匹のワンちゃんにくるまって寝るような寒い夜にはこの曲で暖まるに限る。夜はまだ長い。4月にはまだ早い。5月の朝ならずっと先だ。

 来るべき「ウェスト・コースト」ブームの先駆けか。生まれて初めて手に入れるEPレコードはアルバート・ハモンドしかないっ。「カリフォルニアの青い空」しかないっ。と飛び込んだはずの店から出てきた少年が手にしていたのは、なぜかニュー・シングルの「カリフォルニアへ愛を込めて」の方だった。新し物好きな性向はこの頃すでに芽生えていたのだ。いつかカリフォルニアへ行くんだ。

 民族も宗教も政治もえっちも大事なことなのにね。ちゅう出だしは「アイルランドに平和を」へのそれと同じ。って、ポール・マッカートニーの「ハイ・ハイ・ハイ」のことね。"sweet banana"がなんたらかんたらちゅう隠喩が放送禁止なら、Chaseの「Get It On」とか、Roberta FlackやBad Companyの「Feel Like Makin' Love」の歌詞のストレートさはお咎め無しとくる。うーん、よく分かやないのよろさ。っと、なんかじゅうらいなかんちがいしてゆかも。

 例えばフォーリーブスに「ブルドッグ」があったように、「Crazy Horses」はどう眺めてみてもオズモンズの異色な作品の一つである。しかしイントロをはじめ節目節目に響かせるギターのいななきといい、高音低音ともに振り絞るボーカルやバックでがなりたてるコーラスといい、どたんばたん暴れまくるドラムスといい、しっかり私のツボにハマってしまった。「ワン・バッド・アップル」とこれのどちらかを取れ、と言われたら私困るのことよ。カルピス飲んでふりまく爽やかな笑顔もいいけど、ドブロク含んでバットに吹くしぶきもたまにはよろしおま。…ちょっと違うか。ごめん景浦。

 そうだった。「ベンのテーマ」がマイケル・ジャクソンと私との出会いだったんだ。声変わり直前最後のハイトーンがここには記録されている。その後出た「ハレルヤ・デイ」で振り絞る変声期真っ只中のボーカルは聴いててつらいぞ。跳ねるような楽曲はもう無理だったのに。こうして考えると、後追いだった「ABC」前後こそが彼のピークなのだ。それは声だけでなく、音楽的にも。彼の次のピークは「スリラー」前後に来ることになるが、「ABC」に比べたらスケールが小さ過ぎる。だいたい魂はどこにある。関係ないけど、解散して久しいSpeedのヒロコちゃんに同じような轍を踏ませないことを祈るよんJPOP関係各位。


 ( VOL. 8前<< │ >>VOL. 9前 )

|

« マイ・オムニバス VOL.8 前 | Main | 横浜横浜横浜 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/11727/292139

Listed below are links to weblogs that reference マイ・オムニバス VOL.8 後:

« マイ・オムニバス VOL.8 前 | Main | 横浜横浜横浜 »