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マイ・オムニバス VOL.5

【吹けよ木枯し、呼べよ馬】 72年 2/5

01 アメリカン・パイ / ドン・マクリーン
02 哀しみの終るとき / ミシェル・ポルナレフ
03 木枯らしの少女 / ビョルン&ベニー
04 吹けよ風、呼べよ嵐 / ピンク・フロイド
05 デイ・アフター・デイ / バッドフィンガー
06 スーパーバード / ニール・セダカ
07 スーパー・ウーマン / スティーヴィー・ワンダー
08 愛するハーモニー / ニュー・シーカーズ
09 ハーティング・イーチ・アザー / カーペンターズ
10 母と子の絆 / ポール・サイモン
11 孤独の旅路 / ニール・ヤング
12 マイ・ワールド / ビー・ジーズ
13 アイルランドに平和を / ポール・マッカートニー&ウィングス
14 対自核 / ユーライア・ヒープ
15 名前の無い馬 / アメリカ
16 テレグラム・サム / T・レックス
17 愛のコレクション / ミシェル・ポルナレフ

 寄っていかねぇかそこの小僧。少し古いが「Day After Day」だぜ。タチの悪い指がおいでおいでをしている。「明日の風」の第一印象がよろしくなかった反動か、こちら「デイ・アフター~」のメロや展開は、後追いとはいえ小僧をイケナイ道へと導いたのだった。…ちょっと違うか。イケナイ指か。何言ってんだ。しかし彼らバッドフィンガーをそれ以上追うこともなく20年ほどが過ぎていく。この曲を納めた『Straight Up』やら他のアルバムにようやく出会ったとき、その余りにも長かった空白期間を悔やむことになる。『Ass』を除けば。

 後にスティーヴィーがその凄まじい天才ぶりを花開かせることになる『Songs In The Key Of Life』を頂とする山の、「スーパー・ウーマン」は出発地点にうごめいていた曲の一つに違いあるまい。収録アルバム『心の詩』には「Happier Than Morning Sun」ちゅうとんでもないシロモノもあって、私をひどく慌てさせた。

 アメリカが歌う「名前の無い馬」。およそサビらしくないサビであろうとも、そこにたどり着いたときちょいとほっとさせてくれるのは、間奏を除き、限りなく1コードに近い2コードで延々と進んでいくからだろう。じりじり照りつける中、荒涼とした大地を一頭の馬がゆくの図。がその単調さの中に見えてくるのだから、これ以上ない見事な描写ぶりである。ポップな「金色の髪の少女」とは対極にある世界だ。で、私はこっちの馬さんに擦り寄ってしまうのだった。はいどうどう。

 遠くから聞こえ、やがて耳元で吹きすさぶ風。に絡み、バトンタッチしてゆくど太いギター(ベース?)といえば「吹けよ風、呼べよ嵐」だ。これのどこが「One Of These Days」なんだ。サブタイトル「I'm Going To Cut You Into Little Pieces」たぁなんなんだ恐ろし。
 ところでPink Floydに対する私の興味はアルバム『炎』を聴いてから完全に失われてしまった。もう少し正しく言うなら、その前作『狂気』をターンテーブルからひっくり返した初っ端の"カシーン、ジャラジャラ"で終わっている。そもそも「虚空のスキャット」に溢れ出す高揚感と開放感の両方に浸りたいがために『狂気』のA面1~3曲目はあるのだ。シングルにもなったらしいB面1曲目「Money」は鼻につくだけだ。
 そんなピンク・フロイドのシングルはそう多くはない。今回収録した「吹けよ~」以外に何がある。「夢に消えるジュリア」とか先の「マネー」とか「アナザーがどうしたこうした」とか。チャートの似合わないバンドだ。だいたい「吹けよ~」をシングルにするか普通。しかし私はこの曲が大好きなのだ。いや、正直に言えばNHKでたまたま見てしまった野外"スタジオ"収録作品『Live At Pompeii』。に登場する「吹けよ~」で畳み掛けるドラム・スティックを勢い余ってNick Masonに跳ね飛ばさせ、瞬時にスペア用を引き抜き、打ち続けさせたあの緊張感、がたまらなく好きなのだ。

 民族も大事。宗教も大事。政治も大事。えっちも大事。BBCなにするものぞ。放送禁止になろうが、偽善だと指差されようが構うもんか。ポール・マッカートニーはためらうことなく「アイルランドに平和を」と叫んだのだ。っても、もがき苦しむ北アイルランド云々のことなど、平和という名のぬるま湯につかっていた遥か極東のぼんぼんに分かるはずもなく。そんなふやけた頭はきっと21世紀の今もあまり変わるものでなく。気がつけば何を叫ぶわけでもなく。他人任せにしていたのだよ私はいつだって。テロもイラクも北朝鮮も。いたずらに私の時間は過ぎていく。


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