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マイ・オムニバス VOL.4

【悲しきスーパースター】 71年 3/3 ~ 72年 1/5

01 青春に乾杯 / ミシェル・デルペッシュ
02 イエス・イッツ・ミー / エルトン・ジョン
03 スーパースター / カーペンターズ
04 バングラデシュ / ジョージ・ハリスン
05 ゲット・イット・オン / T・レックス
06 イマジン / ジョン・レノン
07 イン・ザ・モーニング / ビー・ジーズ
08 悲しきジプシー / シェール
09 愛の願い / ミシェル・ポルナレフ
10 スウィート・キャロライン / ニール・ダイヤモンド
11 気になる女の子 / メッセンジャーズ
12 クエスチョンズ67/68 / シカゴ
13 ファミリー・アフェア / スライ&ザ・ファミリー・ストーン
14 恋は二人のハーモニー / グラス・ルーツ
15 オールド・ファッションド・ラブ・ソング / スリー・ドッグ・ナイト
16 ラブ / レターメン
17 ハッピー・クリスマス / ジョン・レノン
18 ブラック・ドッグ / レッド・ツェッペリン
19 愛のわかれ道 / ブレッド
20 動物と子供たちの詩 / カーペンターズ

 このオムニバスづくりのためにざっと20年以上の時を超えて聴いた「青春に乾杯」はそりゃもう懐かしかった。だけじゃないのだ。ちょいとした発見がある。彼の歌いっぷりって結構激しかったのだ。こぶしが効いてるちゅうか。喉も太そう。もっとやわらかなフランス語を浴びることができるんじゃなかったかという思惑は外れてしまう。きみは紅白のトリを務められるぞ。除夜の鐘に乾杯っ。なんで。

 いつも気になる「気になる女の子」。2分に満たない簡潔さの中に、甘酸っぱさ、切なさ、もどかしさ、性急さ、そのすべてが詰め込まれている。永遠の少年少女御用達。

 ツェッペリン家に突如現れたこの真っ黒な犬のどこに噛まれたんだろう。変拍子の嵐か。大蛇がのたうち回るようなJimmy Pageのギター・リフか。そのリフとユニゾンかますJohn Paul Jonesのベースか。はたまたマンモスの足踏みのようなドラムスか。それとも灼熱のメタリック・ボーカルか。…そのすべて、だな。

 あ、にっぽんと一緒や国旗の図柄が。などと幼い頃のどうでもいい記憶が蘇る「新しく」誕生した国。「バングラデシュ」という歌はいわゆるチャリティの走りの一つだと言い切っちまっていいかな。って、これ以前の類を知らないのだ私は。それはともかくこの曲を収録したライブ・アルバムは聴き所満載だ。長~いイントロに導かれるRavi Shankar達がシタールやタブラなどの楽器群から紡ぎ出すうねり。が会場を南アジア色に染め上げていく様は圧巻である。アルバム初っ端からこれだもんなぁ。いきなりテンション上がるよなぁ。つづくジョージの「Wah Wah」がまたいい。「My Sweet Lord」を先に持ってこなくて正解だ。「Jumpin' Jack Flash」~「Young Blood」でダミ声を振り絞るLeon Russelがバックボーカル陣に絡まれていく様のセクシーなこと。アルバム後半を独り占めするBob Dylanは淡々とした風情を装う磁石のようだ。

 ついにT. Rexもこのオムニバスに登場だ。待ってたよ。山場があるようで無い。起伏のきわめて少ないシンプルな曲「ゲット・イット・オン」。頼りなさげなバック陣を従えてMarc Bolanは私に魔法をかけてしまったのだ間違いなく。クールそのものなボーカルは語り部のようでもある。なんだそのビブラートは。なんだその低く地を這う唸り声は。念仏でも唱えてるのか。後ろでぼこぼこ鳴ってるあれはなんなんだ。全然熱くないくせになんで俺を高揚させるんだ。一体俺をどうしようってんだ。

 全然楽しくない。なのにときどき聴きたくなる。「ファミリー・アフェア」は不思議な曲だ。突然内側を向き始めたスライのこの屈折した表現の向こうに見えるのは母への思いなのか。いついかなる時代にあっても変わるはずのない親子関係へのこだわりなのか。何年経っても分からない。が、これを聴くたびスピーカーから流れてくるのがどろりとした痛みだというのはいつも変わらない。もこもこした音録りがそれを引き立たせている。

 それがJohn Lennonのペンによるものだと聞いてぎょっとした「ラブ」。ジョンが死んだ頃競って組まれた追悼番組にオリジナルが流されたとき、番組サイドのあざとさだと分かっていても、それを上回るナニモノカが胸を貫いたんだ。くそぉ。 シンプル・イズ・ザ・ストロンゲスト。

 さて、70sポップスの王道を行くのがCarpenters。かもしれないが、「Yesterday Once More」がチャートの玉座にどっかり腰を降ろしていた前後の時期、私はこの兄妹の出す曲、出す曲、そのすべてが嫌いだった。出せば必ず1位にランキングされる彼らの存在は目の上のコブでしかなかった。なんでそんなに売れるんだ。それほどのものかよ。ロック小僧が迎えたいわゆる反抗期のせいにはしたくないが、この塵一つ落ちてない、きれいでストレートなポップスさ加減はあまりにもまぶしかったのかもしれない。しかし予備知識なく出会ったことが幸いしたか、紹介してくれたSという悪友のおかげなのか、彼らとの初対面となる「動物と子供たちの詩」だけはすうっとこちらに届いてくれた。メジャーなのかマイナーなのかよく分からないコード進行にそっと乗るカレンの押さえた歌声のつややかさったらない。その後同名タイトルの映画まで見に行ったのだから、よっぽど気に入ったんだろう。で、それは今も変わらない。シングルに限るなら、私のカーペンターズはこれが永遠の第1位である。


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Comments

お、ファミリー・アフェア!

聴いたことない(おい)。
いやそうなんだけど実は、同じタイトルの短編小説を村上春樹が書いています。これがまた傑作なんだ。

カーペンターズは、個人的に「レインボー・コネクション」で決まり。雨の日の散歩のBGMに最適。

Posted by: 階下の貴婦人 | Mar 04, 2009 at 20:51

そうか。村上春樹がお好きなのですね。
ハルキ(←気安い)といえば、最近エルサレム?でイスラエル国民の耳をチクリと刺すような講演をぶちませんでしたっけ。とまぁそんなことくらいしか連想できない私にとって、彼の作品は少々苦手だったりします。
がしかし、スライの「ファミリー・アフェア」と同タイトルちゅうのは初耳だし、そそられますねぇ。って、恩田陸の『ライオンハート』を手に取ってしまったのも、同じ様な理由だし。>ケイト・ブッシュの同アルバム

そいで、カーペンターズの「レインボー・コネクション」といえば『As Time Goes By』収録の素敵な一品ですね。ちなみに私なら初っ端の「Without A Song」を選ぶかな。エンディングの大仰さが無ければ。
『As Time ~』ちゅうたら、これまで彼らが隠し持っていた「陰」を惜しげもなくあしらったアルバム・ジャケが秀逸です。構図もグッド。同じ「陰」をさらした『Horizon』もなかなかだけど。

Posted by: つかけん | Mar 05, 2009 at 19:55

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» No.6 - CHER "He'll Never Know" (1971 U.S.) [音盤.exblog.jp]
シェール 「あの人にはわからない」 - CHER "HE'LL NEVER KNOW" - ●シングル「悲しきジプシー」(GYPSYS,TRAMPS&THIEVES)のB面 ●1971/国内盤MCA RECORD(日本ビクター)D-1132  ●Producer=Snuff Garrett ジャケが異様に不気味。国内盤シングルとこの曲を収録したアルバムの両ジャケを並べてみました。余計不気味になってしまった。。まいっか。10年以上前、シングル盤を中古のレコ屋で漁ってた時期があって、その時... [Read More]

Tracked on Jul 11, 2005 at 03:50

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