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マイ・オムニバス VOL.3

【フレンズに口づけ】 71年 2/3

01 美しき人生 / ジョージ・ハリスン
02 ハロー・リバプール / カプリコーン
03 ふたりの誓い / カーペンターズ
04 サインはピース / オーシャン
05 ブラウン・シュガー / ローリング・ストーンズ
06 嘆きのインディアン / マーク・リンゼイ&レイダース
07 サマー・クリエイション / ジョーン・シェパード
08 イフ / ブレッド
09 フレンズ / エルトン・ジョン
10 メロディ・フェア / ビー・ジーズ
11 恋のかけひき / ハミルトン、ジョー、フランク&レイノルズ
12 雨の日と月曜日は / カーペンターズ
13 イッツ・トゥ・レイト / キャロル・キング
14 スウィート・ヒッチハイカー / CCR
15 涙のハプニング / エジソン・ライトハウス
16 アメリカ / サイモン&ガーファンクル
17 故郷へ帰りたい / ジョン・デンバー
18 黒い炎 / チェイス
19 君の友達 / ジェイムズ・テイラー
20 シェリーに口づけ / ミシェル・ポルナレフ
21 アンクル・アルバート~ハルセイ提督 / ポール・マッカートニー
22 傷心の日々 / ビー・ジーズ
23 薔薇のことづけ / ジリオラ・チンクエッティ

 おっ、なんだこれ。イントロがカッコイイじゃん。メロディがくねくねしててなんだか変だけど気持ちいいよなぁ。なんていう曲だこれ。教えろよ。「………」。悪友Sは答えてくれない。まだ私達の誰もが持っていなかったラジカセを手にぶら下げるSは、路地裏にできる輪の中心にいた。カセットテープに収められ、チャコール・グレーに輝く大きな直方体から流れ出してくる曲々は、どれもこれもが少年をときめかせた。それはZepの「Rock And Roll」だったり、The Carpentersの「動物と子供達の詩」だったり、なにかの映画音楽だったりした。Sは得意げにそれを一つ一つ説明する。が、この曲の正体だけは最後まで明かすことがなかった。ジョージ・ハリスンの「美しき人生」。という答を知るのはそれから数年先、Sと私がすでに別々の学制服に袖を通し、別々の人生を歩き始めていた頃だったと思う。

 バンド名ばかりが刷り込まれる。The Rolling Stonesとはそういう存在だった。ラジオから大量に流されるリクエストの中におそらく彼らの曲の数々は含まれていたに決まってる。ストーンズと聞いて、しかし、流れ出してくる曲は何一つなかった。「悲しみのアンジー」まで待たねばならなかった。やがて少年が夢中になるT. Rexの「20th Century Boy」やら、Mott The Hoopleの「ロックンロール黄金時代」。あるいはBruce Springsteen「明日なき暴走」、そしてJohn Lennon「真夜中を突っ走れ」。こういう類とどこか共通するナニモノカがあったはず。「ブラウン・シュガー」は私の遅れてきたお気に入りとなる。下世話なサックスがヤラしく絡む怒涛のロックンロール。こういう手合いに私は弱かったのだ。

 Bread の「If」も後追いである。この路線なら「Aubrey」が一番だとずっと思ってた。しかし「イフ」の切なさはその旋律だけですでに天上にある。不覚。何がDavid Gates達に胸かきむしらせるこんなメロディの宝石を書かせたのだろう。ところで、森高千里の「渡良瀬橋」にすっかりヤラれたのも、その旋律に「イフ」と同じ切なさがあったからじゃなかろうか。そうなんだ。メロディの中にこそマジックはたくさん潜んでいるのだ。ときとして歌詞よりも。

 Bee Geesなら「My World」だ。と即座に答えちまうけど、だからといって、さんざ刷り込まれた「メロディ・フェア」を外すことはできない。美しいメロなのにどこか足並みのそろわないイントロ。歌い出しから始まる変拍子ちゅうか妙な拍子の行進。なんなんだ。…んなことなぞ映画を見ながら考えるのは無粋というもの。その不思議なもやもやは無意識の中にしまってこそ、少年少女はマーク・レスターの演技に酔えたのだきっと。

 さて、どこをどうアレンジしようが、「黒い炎」のえっちな原題やストレートな描写は隠せる訳がないぞ。どうしよう。ヤバイなぁ。うひうひ。などという心配というか期待は、彼らChaseのあまりにもスピーディな演奏とメリハリある構成から生まれた爽快感によってあっさり裏切られてしまう。若造がゆえの性急さをまるで損なうことなくしっかり音に反映させ、こうも見事に伝え切ってしまったことに拍手っ。見習いたいものだ。何を。

 私のかつてのアイドルElton Johnの世界には大仰なオーケストラがバックを務める時代があった。「Crocodile Rock」からスタートするエルトン・ジョン・ミュージックに嬉々としていた少年は、ようやくこの重くて暗くて繊細、かつ瑞々しい彼を知り、"人間"エルトン・ジョンに惹かれてゆくことになる。「フレンズ」はさほど重厚なアレンジが施されてはいないし、それほど気に入ってる曲でもないけど、やっぱり外せない。きみがいてくれたからぼくはいるのだ。その喉はもう元には戻らないと聞いたけど、尋常じゃない壁を幾多も乗り越えてきたきみのことだ、きっと今日もどこかでそのお茶目なキャラを振り撒いているんだよねエルトン。


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