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佐藤多佳子 『神様がくれた指』

 出だしから中盤にかけてかったるかった。『しゃべれども しゃべれども』のリズムとはかなり違う。登場人物の色合いも鮮やかでなく、識別しにくい。この作家がこんなくすんだ色を見せるとは思わなかった。ようやくストーリーや登場人物が生き生きとしてきたと思ったら、すでに残り1/3だった。

 マッキーことスリ師辻牧夫。彼が探し続ける竹内春輝。占い師マルチェラこと昼間薫。女子高生永井理子。マッキーを取り巻く昔かたぎのスリ仲間達と彼を命がけで愛する早田咲。マッキーと腐れ縁な所沢刑事。ルパンと銭形のおっちゃんの関係みたいだ。

 それにしても「スリ」という設定は秀逸だ。職人芸なスリの克明かつスピーディな描写がまた見事である。どうやって取材したんだろね。

 こうして佐藤多佳子の作品は『しゃべれども しゃべれども』、『神様がくれた指』、『黄色い目の魚』とたてつづけに3冊読んじまった。それぞれ扱う題材がまったく違うところが面白い。雰囲気や色合いもずいぶん違って映る。

 彼女にはいわゆる「児童文学」にカテゴライズされた作品も数多くあるらしい。そちらには、しかし、ちょっち二の足を踏んでいる私に、彼女は目が離せない作家の一人となってしまった、なんて言う資格があるんでしょか。

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