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佐々木譲 『ストックホルムの密使』

 ほとんどが実在の人物だとあとがきで知るのだが、にわかには信じられない。地理的な移動距離からしてもスケールが大きいことは間違いないし、終戦直前の海軍、陸軍トップ達の人となりや、内閣の様子が生々しく描かれており、読み応えがある。

 こうした重厚な雲をひょいひょい飛び回る遊び人「森四郎」のキャラがいい。孤児として育った祖国日本に未練もなかったはずが、知らなかった家族、とりわけ小和田夫人の中に「母」を見ていたのか、いつのまにか重大な依頼を請けてしまうその彼の心の動きが絶妙。こんなフィクション的人物が実在したの? 母国に疎んじられ、パリ~モスクワへと流れついたオペラ歌手の至宝、小川芳子とのロマンスもなんだかフィクションに感じられるのだけど。むむむ。

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